31/32 Chiyoizumi Distillery 1948-2018- No.31
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Chiyoizumi Distillery 1948-2018- No.31
クライアント: 誇酒プロジェクト
デザイン会社: BARBE
クリエイティブディレクション/デザイン: 福田 peco 知広[BARBE]
マネジメント:森田 直広 & 誇酒プロジェクトチーム
国: 日本
泡盛は、日本の沖縄特有のアルコール飲料です。
泡盛の起源は、沖縄貿易の歴史にあります。泡盛はすべてタイ米を原料としていて、蒸留技術は15世紀にタイから沖縄に伝わりました。沖縄県民は、近隣諸国の技術を取り入れ、亜熱帯の気候に適した蒸留法に改良し、沖縄特有の黒麹を取り入れました。15世紀から19世紀にかけて、泡盛は沖縄の強大な隣国である中国や日本への貢物として送られていました。
泡盛を3年以上熟成させたものを「古酒」と呼び、熟成させた酒のことを指します。
泡盛は、土鍋や花瓶に入れて地下で一定の低温で熟成させます。第二次世界大戦の沖縄戦以前には、200年、300年前の古酒が存在していましたが、すべて戦災で失われてしまいました。現在では、これらの古酒を再び生産する試みが行われています。
泡盛の千代泉蒸留所は沖縄県宮古島にありました。2013年に諸事情により一時廃業し、泡盛の生産も停止、2018年に正式に廃業した蒸留所です。
地元民に親しまれ、大変な人気があったにも関わらず、時代とともに姿を消した泡盛ですが、後に廃屋となった蔵の中に少しだけ跡形を残していました。パッケージをデザインすることによって、泡盛文化をもう一度見つめ直し、新たな始まりを築くことができました。
デザインのテーマは「新しい命」。透明なボトルは、生まれたばかりの赤ちゃんのように白い箱の中で眠っています。白一色に身を包んだパッケージは、白が生命を象徴する日本にとって伝統的で神聖なシンボルであることを表現しています。